こぼれ話 12

[客M] : この前本を読んでいて、究極のドライマティーニはベルモットの臭いを嗅ぎながらジンを飲むなんてあったけど、そんなのカクテルって言えるの?

[マスター] : グラスをベルモットでリンスするのはまだしも、そういった飲み方や、ベルモットのボトルを眺めながらジンを飲むなんて言うのは、カクテルの味を楽しむと言うより、こだわり度合いを競い合う遊びじゃないですか。

[客M] : まあ皆仕事を離れて遊びで飲みに来ているんだから…まぁいいけど。

[マスター] : そうですね、趣味の世界では周りから見れば無意味なこだわりの競い合いで楽しんでいる方も多いですね。私もその類かも…

[客M] : でも以前連れと飲みに行き、水割りは13回半かき回せなんて言われ、頭に来ちゃったよ、そんなの何回でもいいだろうって…

[マスター] : こだわりは押し付けてはいけないですよね。

[客M] : でしょ、でもこの前パブで可愛い子に同じ事言われ、ニコニコしながら13回半かき回して、ああ美味しいなんて飲んじゃったよ。

[マスター] : …まぁ…そんなもんでしょ。

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